人獣共通感染症
動物にも人にも感染する病気のことを、人獣共通感染症と言います。
様々な人獣共通感染症がありますが、近年問題となっているのが「SFTS(重症熱性血小板症候群)」
マダニが媒介するウイルス疾患で、最初は猫での報告がされ、その後ヒトにも感染することがわかりました。

マダニに直接噛まれても感染しますし、SFTSに感染した動物に濃厚接触することでも感染します。
症状としては、発熱や食欲低下、血液検査で血小板の低下やクレアチンキナーゼの上昇などがあります。
致死率は30%にものぼる、非常に危険な感染症です。
新型コロナウイルスよりも危険だと個人的には思っております。
特に怖いのが、この感染症が西日本、特に山口県および九州で非常に多いということです。

この赤いところが感染報告のあった都府県です。
6月には三重県でSFTSの猫を診察した獣医師が感染し、お亡くなりになられています。
このニュースは我々獣医師にとって非常に衝撃的でした。
元々SFTSについては危険性を感じていましたが、その恐ろしさを更に強く感じるニュースでした。
私がこの病院を引き継いでからは、ノミマダニ予防を皆様に強くすすめておりますが、その背景にはこの病気があるのです。
ノミマダニの予防薬を使用しているからSFTSが必ず防げるわけではありませんが、リスクは格段に減らすことができます。
飼主様ご自身の命を守るためにも、できれば1年中ノミマダニ予防は徹底してください。