犬の尿の色がおかしい?|色の変化からわかる病気のサイン

2枚のペットシーツ

犬の尿の色がおかしい?|色の変化からわかる病気のサイン

「おしっこの色がなんだか濃い気がする」
「赤っぽい尿が出てびっくりした…」
「色が薄すぎるけど大丈夫なの?」
こんなふうに、愛犬の尿の色に違和感を覚えたことはありませんか?
犬の尿の色は健康状態を反映する大切なバロメーター。
病気のサインが潜んでいることもあります。

今回は、犬の尿の色に注目して、考えられる病気や注意したいポイントについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、尿の異変に気づいたときにすぐ対応できるよう備えましょう。

正常な犬の尿の色は?

健康な犬の尿は、淡い黄色〜やや濃い黄色で、透明感のある色が一般的です。
色には多少の個体差や、食事・水分摂取量による変化もありますが、いつもと違う色が続く場合は注意が必要です。

散歩中に水を飲むミニチュアダックスフント

尿の色別に考えられる病気

いつもと尿の色が違う時にはどんな病気が考えられるのでしょうか?

色が濃すぎる(濃黄〜茶褐色)

尿の色が普段よりも濃すぎる時は、脱水症状などで尿が濃縮されている可能性が考えられます。

犬が水をあまり飲んでいなかったり、発熱・下痢・嘔吐などの体調不良があると、体内の水分が不足して尿の色が濃くなります。

脱水以外では、肝臓や胆道系のトラブルでも尿が濃くなることがあるため注意が必要です。
黄疸や肝機能障害が疑われる場合もあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

色が薄すぎる(無色〜ごく淡い黄色)

尿の色が薄くなっているのは、大量に水を飲んでいる、あるいは尿が薄まりすぎている状態です。

急性腎障害などで腎臓の機能が低下して尿を濃縮できなくなっているケースや、糖尿病などのホルモン異常で水を大量に飲んでいる可能性が考えられます。

日常的に水を大量に飲むようになったと感じる場合は、尿検査・血液検査での評価が必要です。

赤っぽい・ピンク・オレンジっぽい

尿の色が赤やピンク、オレンジなどの場合は、血尿の可能性があります。
血尿の原因としては膀胱炎や尿道炎、尿路結石、腎臓の病気など、さまざまな泌尿器系のトラブルが考えられます。

特に「鮮やかな赤」や「赤茶色」が見られる場合は、速やかな診察が必要です。

また、メス犬で発情期に見られる分泌物が尿に混じって赤っぽく見えるケースもあるため、状況をよく観察することも大切です。

白く濁っている

尿が白く濁っている時は膿や細菌、結晶成分が混ざっている可能性があります。

膀胱炎や尿路感染症、結石症の兆候として白い尿が出ることもあります。
色だけではなく尿のにおいが強くなったり、排尿時に痛がるそぶりがある場合には、膀胱に炎症が起きているかもしれません。

緑色・黒色など異常な色

まれに、胆汁色素の混入や重度の肝障害、あるいは筋肉の崩壊などによって、黒っぽい尿や緑がかった尿が出ることもあります。
この場合は非常に深刻な病気が背景にあることが多く、緊急対応が必要です。

尿の色が気になったらどうする?

犬の尿の色が気になったらどうすればいいのでしょうか?
色がおかしいように見えたのが一度だけの場合は、光の加減や一時的な体調の変化かもしれません。
しかし、数日間続いていたり、頻繁に異常が見られたりする場合には、必ず動物病院で検査を受けましょう。

尿の色がおかしい時には、内科的な問題だけでなく、膀胱や尿道の構造的な異常や尿路結石などが原因のことがあります。
そうした場合には、泌尿器外科的な視点からの診断・治療が欠かせません。

尿に違和感を感じたら、外科的処置を必要とする泌尿器疾患にも対応している動物病院に行くようにしましょう。
必要に応じて摘出手術やカテーテル処置などの外科治療を受けることができます。

まとめ

犬の尿の色は、体の中の異常を教えてくれる大切なサインです。
いつもと違う色が続けて見られたときには、様子を見ようで済ませず、早めの受診を心がけましょう。

当院では、膀胱炎や尿路結石をはじめとした泌尿器内科・泌尿器外科の診療も行っております。
犬の尿の色が気になる場合や、いつもと違うと感じた場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

熊本県玉名市六田
はやの動物病院