犬の尿がキラキラしている?|結晶や結石の可能性について解説

犬の尿がキラキラしている?|結晶や結石の可能性について解説

野原でおしっこをするチワワ

「犬の尿にラメみたいなキラキラしたものが混じってる…」
「光に当てると犬の尿がキラキラ光って見える…」
「これって病気のサイン?」
このような経験はありませんか?
犬の尿にキラキラが見える場合、尿路に結晶や結石ができている可能性があります。

今回は、犬の尿がキラキラする原因や、泌尿器外科の視点からみた治療法についてご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の尿の異常についての早期発見の参考にしてください。

尿のキラキラの正体は「結晶」や「結石」

犬の尿をよく観察すると、キラキラしたものが混じっていることがあります。
このキラキラは、尿中に含まれるミネラル成分が結晶化したものです。
結晶の種類によっては、尿道や膀胱に結石として沈着し、排尿トラブルを引き起こす原因になります。

よく見られる結晶や結石の種類には以下のようなものがあります。

  • ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
  • シュウ酸カルシウム
  • シスチン
  • 尿酸アンモニウム

結晶や結石は尿のpHや体質、食事内容などによって形成されやすくなります。

床にあふれた犬のおしっこ

こんな症状も見られる場合は要注意

尿がキラキラしているだけでなく、次のような症状があれば要注意です。

  • 頻繁にトイレに行く
  • 尿の量が少ない・出にくい
  • 血尿が見られる
  • 排尿時に痛がる・鳴く
  • 排尿姿勢をとるのに尿が出ていない

これらは、結石が尿道や膀胱を刺激していたり、場合によっては尿道をふさいでいる可能性を示しています。特にオス犬の場合は尿道が細いため、完全に詰まるリスクが高く危険です。

結石を放置すると腎臓に負担がかかり命に関わることもあるため、尿のキラキラやその他の症状がある場合には放置せずに動物病院へ相談しましょう。

犬の膀胱結石を放置するリスクについては以下の記事をご覧ください。

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原因と対策は?

犬の尿に結晶や結石ができる主な原因は以下のとおりです。

  • 水分摂取量の不足
  • 不適切な食事(ミネラルバランスの偏り)
  • 尿路感染症
  • 遺伝的な体質

では、結晶や結石ができた場合にはどうすればいいのでしょうか?

結晶や結石の対策として大切なことは

  • 水分摂取を増やす(ウェットフードやスープで補助も効果的)
  • 療法食による結晶・結石の溶解・予防
  • 定期的な尿検査によるチェック
  • 早期の医療介入による摘出手術も視野に入れること

などです。

結石の種類によっては療法食や水分摂取では溶けない結石もあります。
必ず獣医師にアドバイスをもらいながら適切な対策をとるようにしましょう。

犬用トイレとペットシーツ

外科的な治療が必要になることも

結晶が大きくなって結石となり、尿道を完全にふさいでしまった場合は、内科的な治療では対応できず、外科手術による摘出が必要となるケースもあります。
膀胱結石や尿道結石の摘出手術が対応可能な動物病院を受診することが重要です。
犬の尿道結石の摘出手術についてはこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

犬の尿にキラキラしたものが混じっている場合、それは結晶や結石のサインかもしれません。
放置すると深刻な症状につながる可能性もあるため、早めの検査・対応が大切です。
気になる変化があれば、ぜひ一度動物病院での尿検査を受けてみましょう。

はやの動物病院では泌尿器外科に力を入れています。
膀胱結石や尿道結石の摘出手術も対応可能です。術後の再発防止のための管理やフード指導も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

熊本県玉名市六田

はやの動物病院