猫の膀胱に結石?|摘出手術が必要になるケースと治療の流れについて

猫トイレを覗く猫

猫の膀胱に結石?|摘出手術が必要になるケースと治療の流れについて

猫の膀胱に結石ができる膀胱結石という病気があります。
膀胱結石は初期のうちは症状が軽くても、進行すると痛みや排尿障害を引き起こします。
膀胱結石の治療には場合によっては手術が必要です。
膀胱結石はどのような時に手術が必要で、どんな手術をするのでしょうか。

今回は、猫の膀胱結石と摘出手術について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の泌尿器トラブルへの備えにお役立てください。

猫の膀胱結石とは?

猫の膀胱結石とは、膀胱内にできる固い石のことです。
膀胱結石は尿に含まれるミネラルや老廃物が結晶化し、それが徐々に大きくなって石になることで発生します。
よく見られる結石の種類には、ストルバイトやシュウ酸カルシウムなどがあります。
結石が膀胱の粘膜を刺激すると、

  • 頻尿
  • 血尿
  • 痛みを伴う排尿

などの症状が現れることがあります。

場合によっては、膀胱の結石が流れてしまい尿道に詰まって尿道閉塞を引き起こすこともあります。
特に尿道の細い雄猫では注意が必要です。
猫の尿道閉塞についてはこちらの記事をご覧ください。

雄猫が尿を出せない?|尿道閉塞の症状と緊急対応について

膀胱結石の治療は結石の種類と大きさによって異なる

膀胱結石の治療方法は、主に以下の2つに分かれます。

内科的治療

内科的治療は、療法食や薬によって結石を溶解したり排出させる治療方法です。
たとえば、ストルバイト結石は特定の療法食で溶かせることがあります。

外科的治療

外科的治療は手術によって結石を摘出する方法です。
たとえば、シュウ酸カルシウム結石は内科的治療では溶けないため、手術による摘出が必要になります。
また、結石の大きさや数、症状の程度によっては外科的治療を行う必要があります。

トイレのそばで座ってこちらを見つめる猫

膀胱結石の摘出手術が必要なケース

以下のような場合には、内科的治療だけでの改善が難しく、膀胱結石の摘出手術が検討されます。

  • シュウ酸カルシウムなど溶けない結石
  • 療法食を続けても改善しないストルバイト結石
  • 結石が大きく、尿道に流れて閉塞を起こすリスクが高い場合
  • 繰り返し血尿や膀胱炎を引き起こしている場合
  • 尿道閉塞を何度も起こしている場合

膀胱結石の摘出手術は、膀胱切開を行って結石の摘出を行う方法が一般的です。
麻酔下で膀胱を切開し、すべての結石を目視で確認しながら取り除く処置を行います。

手術の流れと入院期間

手術は以下のような流れで進行します。

  1. 血液検査やレントゲン、超音波検査で全身状態と結石の位置を確認
  2. 麻酔をかけて膀胱を切開し、結石を摘出
  3. 膀胱・腹部を縫合し、回復を見守るために数日間入院管理

術後は排尿の状態や感染予防の管理が重要になるため、入院期間は通常2〜5日程度です。
経過が良好であれば、早期退院も可能です。

猫トイレで排泄しながら外を見つめる猫

再発を防ぐには

膀胱結石は手術で取り除いても再発することがあるため、術後の管理が非常に大切です。

  • 食事の見直し(療法食の継続)
  • 定期的な検診
  • 水分摂取量を確保
  • ストレスをためない生活環境やトイレの整備

はやの動物病院では、術後の食事管理や再発予防のサポートにも力を入れています。
結石の再発リスクを抑え、猫ちゃんが快適に生活できるよう、長期的にフォローいたします。

まとめ

猫の膀胱結石は、放置すると尿道閉塞や膀胱炎などの深刻なトラブルを招くおそれがあります。
特に、溶けない結石や大きな石がある場合には、膀胱結石摘出手術が必要です。
愛猫に血尿や排尿異常が見られたら、なるべく早めに動物病院で検査を受けることをおすすめします。

はやの動物病院では、泌尿器外科に対応できる体制を整えており、内科・外科の両面から最適な治療をご提案しています。
猫の膀胱結石でお困りの場合にはぜひお気軽にご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 猫の膀胱結石は手術が必要なことが多いのですか?

A. 結石の種類や大きさにもよります。
溶けないシュウ酸カルシウム結石や、療法食で改善しないストルバイト結石、大きな石がある場合は手術が必要です。

Q2. 摘出手術は猫にとって負担が大きいですか?

A. 膀胱切開による結石摘出は一般的で安全性の高い手術です。
ただし、麻酔を使用するため術前検査で体調や腎機能を確認し、適切に管理することが重要です。

Q3. 結石は再発することがありますか?

A. 膀胱結石は再発しやすい病気です。
再発予防には、療法食の継続、水分摂取の確保、定期検診が欠かせません。

熊本県玉名市六田
はやの動物病院