猫の尿道閉塞が繰り返される理由とは？｜再発を防ぐために知っておきたいこと

「またトイレトラブルかも」
「この前治療したばかりなのに、また尿が出ない」
「何度も繰り返す尿道閉塞、どうしたらいいの？」

このようなお悩みを抱える飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか？
猫の尿道閉塞は、特に雄猫で多く見られる病気ですが、一度治療しても再発しやすいという特徴があります。

今回は、尿道閉塞を繰り返してしまう理由と、その対策について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の尿道閉塞の再発を防ぐ参考にしてください。

猫の尿道閉塞とは？

猫の尿道閉塞とは、尿道に詰まりが生じて尿が排出できなくなる病気です。
特に雄猫は尿道が細く長いため、結晶や粘液、炎症などの影響を受けやすく、閉塞が起きやすい構造をしています。
尿が出なくなると膀胱がパンパンに膨らみ、腎臓にも悪影響が及び、命に関わる緊急状態に陥ることもあります。

なぜ繰り返すの？

尿道閉塞は再発が多くみられる病気です。
尿道閉塞が繰り返される背景には、いくつかの要因があります。

• 尿路結石や結晶の再形成
• 体質的に尿道が狭い・湾曲している
• 膀胱炎や感染が慢性化している
• ストレスや生活環境の影響
• 食事管理が不十分

また、一度尿道閉塞を起こすと、炎症によって尿道がさらに狭くなるため、治療しても再閉塞してしまうことが多くなります。

再発防止のためにできること

尿道閉塞の再発を防ぐには、生活環境や体質に合わせた長期的な管理が必要です。

水分摂取を促す

水分が不足すると尿路結石症や膀胱炎を起こしやすくなり尿道閉塞のリスクも高まります。
ウェットフードや自動給水器の活用で水分摂取を促しましょう。

療法食の継続

結晶や結石ができていた場合には療法食が効果的な場合があります。
病院で指示された療法食を続けることで、尿道閉塞のリスクを下げられる可能性があります。

トイレ環境の整備

清潔で静かなトイレ環境は、猫の排尿ストレスを減らす上で重要です。
トイレの数を増やす、砂の種類を見直すなどの配慮も役立ちます。

ストレスの軽減

多頭飼育の緊張や、引っ越し・騒音などの変化がストレスとなり、膀胱炎を誘発することもあります。
日頃から適度な運動や遊びを取り入れ、リラックスできる環境を整えましょう。

定期的な尿検査やエコー検査によるチェック

猫の見た目にわかりやすい症状がなくても、再発のリスクは残ります。
定期的な尿検査やエコー検査で、結晶や膀胱の状態を確認しておくことが大切です。

外科的な選択肢もある？

どんなに生活上でケアしていても一度尿道閉塞を起こして尿道に炎症が起こると再発のリスクは高くなってしまいます。
内科的治療や生活のケアだけでは再発防止に限界があり、何度も再発を繰り返すことも。
そのような時には、外科的な選択肢として会陰尿道瘻形成術（PU手術）が検討されます。

会陰尿道瘻形成術では、尿道の詰まりやすい部分を切除し、短く太い尿道口を新たに作ることで再閉塞のリスクを下げることが可能です。
手術に適応するかどうかの判断が必要ですが、何度も閉塞を繰り返す猫にとっては根本的な解決方法の一つになるでしょう。

猫会陰尿道瘻形成術についてはこちらの記事もご覧ください。

猫の尿道閉塞に対する会陰尿道瘻について｜実際の症例をもとに手術方法を解説

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まとめ

猫の尿道閉塞は、一度起こると再発しやすく、場合によっては命に関わる病気です。

再発を防ぐには生活の見直しと長期的な管理が欠かせませんが、内科対応では限界がある場合には外科による対応も必要になります。

当院では、泌尿器疾患に強みを持ち、再発リスクの高い症例に対しても外科的処置を含めた対応が可能です。
猫の再発する尿道閉塞でお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。

よくあるご質問（Q&A）

Q1. 猫の尿道閉塞はなぜ繰り返すのですか？

A. 一度閉塞を起こすと、尿道の炎症や瘢痕によってさらに狭くなり、再発しやすくなります。
また、体質やストレス、食事内容なども再発の要因になります。

Q2. 尿道閉塞を再発させないためにはどうすればいいですか？

A. 水分摂取を増やす、療法食を継続する、ストレスの少ない環境を整える、定期的に尿検査や超音波検査を受けることが重要です。

Q3. 手術をすればもう尿道閉塞は起きませんか？

A. 会陰尿道瘻形成術によって再発リスクは大幅に下がりますが、100%防げるとは限りません。
術後も適切なケアが必要です。

熊本県玉名市六田
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