メス犬の陰部が腫れているのは腫瘍が原因?|治療法も含めて解説
メス犬の陰部が腫れているのは腫瘍が原因?|治療法も含めて解説

「最近、愛犬の陰部が腫れているように見える」
「おしっこをしたあと、陰部を気にして舐めている」
「陰部から出血や膿のようなものが出ている気がする」
このような異常に気づいた飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?
メス犬の陰部の腫れは、感染や炎症による一過性のものから、腫瘍が原因となる重大な病気までさまざまな可能性があります。
今回は、メス犬の陰部に腫れが見られたときに考えられる疾患と、検査・外科手術を含む治療法について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬が陰部を気にした際の参考にしてください。
メス犬の陰部の腫れで考えられる腫瘍性疾患
メス犬の陰部が腫れてる原因は、感染やホルモンによることもあります。
しかし、とくに高齢犬では、腫瘍が原因で陰部が腫れてしまうことも。
陰部にできる腫瘍にはいくつかの種類があるため、紹介していきます。
メス犬でよく見られる腫瘍
メス犬で陰部が腫れている場合には以下の腫瘍などが考えられます。
いずれの腫瘍も未避妊のメスで多く見られるため、避妊手術をしていない場合には注意が必要です。
腟腫瘍
膣腫瘍は、腟の粘膜や筋層から発生する腫瘍です。
腫瘍が大きくなると、陰部からの突出・排尿障害・分泌物などがあらわれ、陰部が腫れているように見えることもあります。
外陰部腫瘍
外陰部腫瘍は外陰の皮膚や粘膜から発生する腫瘍です。
外陰部の表面にしこりやびらんを伴う場合があります。
多くは良性ですが、見た目では判断がつかないため、検査が必要です。
乳腺腫瘍の陰部転移
進行した乳腺腫瘍が陰部周囲に転移することがあります。
陰部の腫脹として見えることもあります。

腫瘍の診断のために行う検査
陰部に腫れがある場合、まずは腫瘍かどうかを含めた鑑別診断が必要です。
以下の検査が行われます。
- 視診・触診:腫れの範囲、性状、熱感などを確認
- 超音波検査:陰部・腟・前立腺・膀胱の状態を可視化
- 細胞診(FNA):針を刺して細胞を採取し、腫瘍かどうかの確認
- 生検(組織検査):腫瘍性が強く疑われる場合に、より正確な診断のために組織を一部採取
- 血液検査:感染・炎症の有無、全身状態の確認
- レントゲン・CT検査:内部構造や転移の有無を評価するために実施
腫瘍だった場合の治療法と外科的選択肢
腫瘍と診断された場合、手術による摘出が第一選択となるケースが多いです。
腫瘍の種類・位置・悪性度により治療内容が異なります。
腫瘍摘出手術
腫瘍が限局している場合は、腫瘍ごとに周囲の正常組織を含めて外科的に摘出します。
外陰部や腟の一部を切除しても機能的に問題ない場合が多く、早期手術が推奨されます。
会陰部の広範囲切除術
腫瘍が広範囲にわたる場合や複雑な位置にある場合、会陰部の皮膚や筋肉ごと広く切除する手術が選択されることがあります。
術後は一時的な排尿補助や、再建術が必要になる場合もあります。
手術以外の治療について
腫瘍の種類や進行度によっては、外科手術だけでなく補助的な治療が併用されることもあります。
- 抗がん剤治療(悪性腫瘍の進行抑制)
- 放射線治療(局所制御が難しい部位)
ただし、これらは補助的な位置づけであり、腫瘍が外科的に切除可能な場合は早期手術が最も効果的です。
とくに、膣や外陰部の腫瘍は外科的に摘出できる場合が多く、早期対応が予後を左右します。
陰部の腫瘍を予防するために
メス犬の陰部の腫れの原因となる腫瘍のほとんどは、未避妊の犬に発生します。
そのため、繁殖をのぞまない場合には小さいうちに避妊手術を行っておくことで、腫瘍の発生を予防することにつながります。
当院でも避妊手術のご相談を受けておりますので、気になった方はぜひご連絡ください。

まとめ
メス犬の陰部の腫れは、炎症などの一時的なものもありますが、腫瘍が原因となっている場合もあり、放置は危険です。
特に中高齢の犬で、出血や排尿異常などの症状を伴っている場合は、早めの検査と診断が重要です。
当院では、泌尿器や生殖器の腫瘍に対する外科治療に対応しており、必要に応じて詳細な画像検査や組織検査も実施しております。
愛犬の陰部に異常がある場合は、ぜひお早めにご相談ください。
熊本県玉名市六田
はやの動物病院


