愛犬が乳腺腫瘍ステージIIと言われたら|飼い主様が知っておくべきこと

飼い主に抱かれるトイプードル

「愛犬が乳腺腫瘍ステージIIと言われて不安」
「手術が必要か、まず何をすればいいか知りたい」
「転移や見通しが気になって落ち着かない」
このようなお悩みを持つ飼い主様もいらっしゃると思います。
犬の乳腺腫瘍のステージIIは、「まだ転移が確認されていない段階で治療の選択肢が広い状態」です。
不安が大きくても、ステージ分類だけで悲観する必要はありません。
検査で今の状況を把握したうえで治療方針を獣医師と決めていくことが大切です。

本記事では、犬の乳腺腫瘍ステージIIについて、見通しを考えるうえで大切なポイントを分かりやすく解説します。
愛犬の今の状況を落ち着いて理解するための材料になりますので、ぜひ最後までお読みください。

犬の乳腺腫瘍ステージIIとは

床で寝そべる犬

愛犬が乳腺腫瘍ステージIIと言われると、余命や転移を連想してしまうかもしれません。
実は乳腺腫瘍のステージIIは、治療の効果が期待しやすい段階でもあります。
そもそもステージ分類とはどのようなものなのでしょうか?

乳腺腫瘍のステージ分類は、獣医師が現在の腫瘍の状態を整理するための指標です。
一般的には次の3点を評価します。

  • 腫瘍の大きさ
  • リンパ節への広がりの有無
  • 肺など遠隔転移の有無

この3つの組み合わせでステージが決まります。

ステージIIの基準

乳腺腫瘍のステージIIは、一般的に次の条件を中心に判断されます。

  • 腫瘍の大きさが中等度(2〜5cm程度が目安になることが多い)
  • リンパ節に明らかな転移がない
  • 肺など遠隔転移が確認されない

つまりステージIIは「転移がない可能性が高く、手術で大きな改善が期待できる段階」と理解するとわかりやすいですね。

犬の乳腺腫瘍ステージIIの治療

犬の乳腺腫瘍ステージIIの治療は、多くのケースでは外科手術が行われます。
腫瘍がまだ局所に留まっているため、切除により良い経過を得られる可能性が十分にあります。

ステージIIの手術の目的

犬の乳腺腫瘍ステージIIの手術には、次の2つの大きな目的があります。

  • 腫瘍を取り除き、局所の再発を防ぐ
  • 病理検査で腫瘍の性質(良性・悪性・悪性度)を確認する

ステージⅡは「適切な手術で改善が期待できる段階」であり、治療のタイミングとしては非常に重要な位置づけです。
特に転移が確認されていない場合は、手術が大きな効果を発揮する可能性が高いステージともいえます。

手術の範囲

乳腺腫瘍では、腫瘍の大きさや位置により次のような手術が選択されます。

  • 腫瘍部分のみ切除
  • 複数乳腺をまとめて切除
  • 片側の乳腺全体を切除

手術時に避妊手術を同時に行うケースもあり、再発率への配慮も含めて獣医師が判断します。

術後の病理検査はステージⅡだからこそ重要

顕微鏡でスライドを見る様子

犬の乳腺腫瘍ステージⅡでは、腫瘍を切除したあとに行う病理検査が治療方針の決め手になります。
病理検査で分かる主なポイントは、

  • 腫瘍が良性か悪性か
  • 悪性の場合、増殖の強さ(悪性度)
  • 切除が十分かどうか(マージン)

です。

病理検査の結果、「悪性度が低く、切除が十分」と判断されれば、追加治療をせず経過観察になることが多いです。

一方で、

  • 悪性度が高い
  • 取り切れていない疑いがある
  • 周囲組織への広がりが疑われる

といった所見があれば、ステージⅡでも再発リスクを下げるために追加治療を検討することがあります。

手術後に飼い主様が家でできるケアと受診の目安

ブランケットに包まる犬

手術が終わった直後は、飼い主様もほっとする一方で
「自宅で何を注意したらいいのか」
「この反応は普通なのか」
と不安になりやすいですよね。
ここでは、術後に気を付けたいポイントと受診の目安をお伝えします。

術後直後に気をつけたいポイント

まずは安静を優先し、傷口を刺激しない環境づくりが回復につながります。
術後直後に気をつけたいポイントは、基本的には

  • 走る、ジャンプする、階段の上り下りを控えさせる
  • エリザベスカラーや術後服を使い、傷口をなめないようにさせる
  • 食事は少量から様子を見る
  • 処方された薬は自己判断で変えずに続ける

などが挙げられます。

受診の目安

術後は多少の腫れや元気の波が出ることもあります。
変化が強いときは早めの相談が安心です。
例えば

  • 傷口の出血が止まらない
  • 触ると強く嫌がり、痛みが増しているように見える
  • 食欲が極端に落ちたまま、ぐったりしている
  • 嘔吐や下痢が続く
  • 息が苦しそう

などです。
これらは必ずしも重大な異常とは限りませんが、迷った時点で動物病院へ相談しましょう。

まとめ

犬の乳腺腫瘍ステージⅡは、腫瘍は一定の大きさに達していますが、転移は確認されていない状態です。
この段階での治療は、手術が中心となり、術後の病理検査の結果に応じて今後の経過観察や追加治療の方針を決めていく流れになります。
不安を抱えながら治療に向き合う飼い主様も多いと思いますが、早期に適切な対応を行うことで予後の改善が期待できます。

当院は腫瘍科や外科診療に力を入れております。
乳腺腫瘍のことで気になることや不安な点があれば、いつでもご相談ください。

​​熊本県玉名市六田
はやの動物病院