犬のオスの陰部腫れは腫瘍が原因?|考えられる腫瘍と注意したい他の異常

犬のオスの陰部腫れは腫瘍が原因?|考えられる腫瘍と注意したい他の異常
「オス犬の陰部がなんだか腫れている…」
「歩くときに擦れて痛そうだけど大丈夫かな?」
「腫瘍だったらどうしよう…」
このような不安を感じたことがある飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
犬のオスの陰部(陰茎や包皮)に腫れが見られたとき、腫瘍の可能性が気になるところです。
しかし、腫瘍かどうかは見た目だけで判断することが難しく、他の病気との区別もつきにくい場合があります。
今回は、犬のオスの陰部にみられる腫れのうち、腫瘍が疑われるケースや、他に注意すべき異常について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康管理の参考にしてください。
陰部に腫瘍ができることはある?
犬の陰茎や包皮に腫瘍ができることはありますが、実際には比較的まれとされています。
特に犬のオスの陰部に限局して発生する腫瘍は少なく、腫瘍よりも他の異常の方が頻度として多い傾向があります。
とはいえ、以下のような腫瘍が陰部にできる可能性はあります。
- 可移植性性器腫瘍(TVT)
- 扁平上皮癌
- 肥満細胞腫
- メラノーマ
- 軟部組織肉腫
とくに可移植性性器腫瘍(TVT)は、交尾などでがん細胞が物理的に移植される特殊な腫瘍です。
発生部位として
- 陰茎
- 包皮
- 前立腺
などが挙げられます。
可移植性性器腫瘍とは?
可移植性性器腫瘍(TransmissibleVenerealTumor)は、犬に特有の珍しい腫瘍です。
この腫瘍は通常、交尾や接触などによって粘膜を介して感染・転移する特徴があります。
オス犬では陰茎や包皮に発生することが多く、次第に赤くボコボコとした腫瘤を形成していきます。
外見上は以下のような特徴があります。
- 赤く、表面がデコボコした腫瘤
- 出血や分泌物を伴うことがある
- 周囲を舐めていることが多い
- 急に大きくなってきた印象がある
可移植性性器腫瘍は、性成熟した犬であればどの犬種でも発生の可能性がある腫瘍です。
ただし、現在の日本では非常にまれな腫瘍であるため、過度に心配する必要はありません。

こんな症状が見られたら注意
陰部に腫瘍ができている場合には、以下のような症状が現れることがあります。
- 陰部の腫れやしこり
- 出血や赤み
- 陰部を気にして舐め続ける
- 排尿時に痛がる
- 陰部を触ると嫌がる
ただし、これらの症状は腫瘍に限らずさまざまな病気で見られる一般的なサインでもあります。
このような症状が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
腫瘍以外の原因にも注意を
陰部の腫れは、必ずしも腫瘍によるものとは限りません。
以下のような原因の方が、犬ではむしろよく見られるケースです。
- 包皮炎や感染症
- 擦過傷や外傷
- 異物の混入
- 虫刺され
- 血腫や浮腫
とくに包皮炎は、オス犬でよく見られる病気のひとつで、陰部の腫れや赤み、分泌物などが目立ちます。
また、過剰な舐めすぎや外傷によっても一時的に腫れが出ることがあります。
動物病院での診察が安心
陰部の腫れに気づいた場合は、自己判断せずに早めに動物病院での診察を受けることが大切です。
腫瘍とそれ以外の異常は、見た目だけでは判断できないことが多く、以下のような検査によって原因を特定していきます。
- 触診や視診
- 細胞診(しこりの針吸引検査)
- 血液検査
- 超音波検査
腫瘍が疑われる場合には、細胞の検査を行い、種類や進行度を把握したうえで治療方針が決定されます。
腫瘍があった場合には、外科的な切除が必要なこともあるため、泌尿器外科に強い動物病院を受診することがおすすめです。

まとめ
犬のオスの陰部が腫れていると、腫瘍かもしれないと不安になる飼い主様も多いと思います。
ですが、オスの陰部の腫瘍は比較的まれであり、炎症や感染といった他の原因による腫れのことが多いです。
ただし、腫瘍や深刻な感染症が隠れている場合もあるため、違和感があるときは早めの診察をおすすめします。
また包皮炎などの軽度の炎症であっても、放置すると慢性化して再発を繰り返すことがあるため、早期の治療が大切ですね。
当院では、泌尿器を始め外科に力を入れています。
気になる症状があれば、お気軽に当院へご相談ください。
熊本県玉名市六田
はやの動物病院


